イラストのデジタル化が進んでいるのが大きいんじゃないかな…と思います。今、すごく簡単にデジタル作業環境が用意できるので。
わたしの周りはみんなデジタルです。
描く側も見る側も今のイラストはデジタルで楽しむものだというイメージが大きいのではないでしょうか。
最近では原稿のデジタル化が進んだせいかプロの作家さんも複製原画展示が多い気がします。
また、そういったアナログ絵は趣味の手書きイラストよりアーティストや似顔絵師のものの需要の方が高いのかもしれません。
そして最近は絵で稼ごうとするなら絵師依頼サイトに登録してロゴや同人誌表紙デザイン、YouTube向けに依頼を募集している印象です。それなりのお値段になっていると思います。
わたしも手書きのイラストは好きですが時代ですかね…
なんでもかんでもデジタルで楽しむのは便利ですが少しさみしい部分もあるなと思います。

アナログの絵＝一点物を所有したい、という人は実はさほど多くはありません。
飾れる絵ならともかく、飾りにくい絵だと尚更なんじゃないでしょうか。

そして消費する側の絵に対する価格的な評価って、思ってる以上に安かったりします。
オークション時代は「このくらいの絵パパ―っと描けるでしょ、描いてよ」なんて言う人はいませんでした。
価格的にそういう人は振り落とされるからです。

しかしフリマサイトだと平気で前述のようなことや「値下げできない？」と聞いてくる人がたくさんいます。
フリマサイトを経て、イラストマッチングサイトなどでも絵を描いてもらうための価格というのはがっくし下がった印象があります。
もちろんピンきりではありますが、アイコンなら500円、SNS用のヘッダーなどなら2000円からスタート、みたいな話です。

デジタル技術の普及で「絵を描く」ことが容易にもなり、それがそもそも「絵を描く」価格を下げているのもあります。
実際、上記のような値段でもやっていける絵描きがいるのは「副業」としてかつ「量産」できるようなデジタル技法や作業体制があるからです。

そしてなにより、デジタル絵でもアナログ絵でも同じ絵なら大差ないと感じるのも消費する側の錯覚です。
実際にはアナログ絵は画材の値段やら取り返しの付かない一発描きの連続やらで高いコストや技術が求められているんですが、そんなの見るだけの側からしたら知ったこっちゃないですからね。

アニメのセル画をはじめ、アナログの一点物を買ってるのって実は年齢層高めのオタクに限られます。
いわゆる宇宙戦艦ヤマトや機動戦士ガンダムを見て育った、今は40～60代が主軸です。
この年齢層のオタクは減ることはあっても増えることはないです。

アナログの絵がそもそも「絵」としてやりにくくなっている、かつ「一点物」を欲しがるコレクターが減ってきている。
この２つがアナログ絵の価格を下げてる要因に主たるものかな、と思っています。