トピ主さんの言いたいことはめっちゃわかるよ～～
女の子でも相手とサイズと受け入れるところのサイズが合わないとゼリーとかローション使うし、ほぐしたりするからね…
幸い、読むときはさほど気にならないんだけど自分が書くときは気になる。ただ洗浄の部分を細かく書くとなると、それはそれで（これはスカの領域に入るのかな…）とか考えちゃうので、洗浄の部分は思いきって省いてる
シャワーとかもいちいちシャワーの場面書くのもあれだから、身体に触れたときとかに石鹸の香りが～とか事前に綺麗にしてきたとこを思わせる描写を入れてます
でも慣らす場面は書くのも大好きだから、ネチネチとしたエロになるけどめっちゃ念入りに書いてたらそこがいいって褒めてもらったときもあるから、なんとかトピ主さんが落とし所をを見つけて書き続ければ、それがトピ主さんの作風になると思う！頑張ってね！

納得感の有無、ですかね。
リアルとリアリティーの違いを知ることこそが、トピ主さんの求める「切り替えスイッチ」だと思います。
　
■リアルとリアリティーの違い
例えば、ハッカーがごく短時間でいきなり指定された銀行を様々なツールや知識からハッキングするような描写がありますよね。
あれって全然「リアル」ではないです、「リアリティー」はありますけど。
解析ツールの準備や事前の周辺調査など、本来のハッキングはかなり計画的なものです。
急に60秒でやれと銃を突き付けられながらやってのけるのは現実には不可能です。
しかし演出上のカッコよさやテンポに時間的制約から、ある程度の「リアリティー」を含んでああいう描写になります。

このリアルとリアリティーを混同してしまうと
どこまでリアルに描けばいいのか、どこを端折れってリアリティーに落とし込めばいいのかという境界も分からなくなります。

　リアリティの意味　リアルとの違い
　https://storymaker.click/%E5%B0%8F%E8%AA%AC/5105/
　混同してない？「リアル」と「リアリティ」は別物って話
　https://monogatari.movie/2019/04/10/%E5%8B%98%E9%81%95%E3%81%84%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%AA%E3%81%84%EF%BC%9F%E3%80%8C%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%80%8D%E3%81%AF/

上記リンクの中で「創作物のリアリティーライン」という表現があります。
『スペースダンディ』と『シドニアの騎士』では、見るときの見方が違います。
『十二国記』と『この素晴らしい世界に祝福を！』でも、見るときの見方が違います。
この見方の違いの１つが「創作物のリアリティーライン」です。
　
　
■リアルからリアリティーを作る
例えば、スパイ映画で主人公がホテルの従業員のカードキーを使って侵入するシーンがあったとします。
「え、そのカードキーどうしたの？」って思ったりする人が出てきます。
それまでの展開で、主人公が「スリ」の能力に秀でている描写があったのなら、「ああ、きっとスッたんだな」と納得できます。
誰かと眠らせたりノックアウトさせて変装して入れ替わる描写があったのなら、「ああ、きっと誰かノサれたんだな」と納得できます。
こういった、演出上すでに說明済みだったり、共通の予備知識がある状態であれば、それをわざわざ描かなくても端折れたりします。

また、演出上「それっぽく」なっていれば良い部分は、本当に現物を用意しなくても「それっぽく」なってれば良いです。
よくある描写は、プログラマーやハッカーが何かしてるときのソースコードなどです。
ただ、これに関しては創作側があまりにも知識不足だと、逆にリアリティーが失われることにも繋がります。
作品名は忘れてしまいましたが、ハッキングシーンで動いているプログラムとして「webページのHTMLコード」が表示されていたのは笑ってしまいました。
キャベツとニンジンとリンゴで料理する話で、レタスとダイコンとナシが用意されてるみたいな感じです。
IT関係差以外はまったく気にならないワンシーンかも知れませんが、少なくとも私はそのワンシーンだけで興をそがれてしまいました。
　映画14作品のハッキングシーンをセキュリティ専門家が査定したらこうなった
　https://jabba.cloud/20210829-hacking-scenes
このように、リアルを知らなければリアリティーは作れないわけです。
そのためには膨大な知識が必要になることもありますが、知らないことを無理にリアリティーに描こうとすると失敗したりもします。
知らないことは描かない、少なくともリアリティーに描こうとはしないのも大切かなと思います。

結局、リアリティーとは
・テンポを崩さない範囲でリアルに描く
・テンポを崩すリアル部分は端折る
・演出上、本物でなくても「それっぽく」なっていればいい
自分は概ね、このあたりを基準にしてリアリティーラインを設定してます。
　
　
■工口漫画における「幻想」と「現実」
翻って、工口漫画でのリアルとリアリティーラインとはなんなのか？
基本的に工口の世界が「ファンタジー」と言われるのは、互いの異性に対する「幻想」だからです。
お互いに「理想」の異性を描き合う、「理想」というのは存在しないので「幻想」、つまり「ファンタジー」ということになるんです。

男性向けの女体工口描写を見た女性が「こんなん幻想だよ」と言いますし、
女性向けの男体工口描写を見た男性が「こんなん幻想だよ」と言うわけです。

異性の体の仕組みというのも、自分は自分の性別の体のことしか知らないからこそ、「幻想」を描きがちになる。
しかし、それでもリアリティーがあった方がより工口く感じる。
工口漫画とは、そういったファンタジーとリアリティーが共存するジャンルでもあります。

また、予備知識的に描くのを端折って、山場だけ描くのもよくある手法です。
例えば、膣や肛門に挿入するには、それなりの時間をかけて慣らさなければいけません。
しかし、漫画という制約の中でその「慣らし」をすべて描くのは難しいですし、「30分後」みたいな脚注を入れては雰囲気が台無しです。
その結果、生み出されたのが、端折って「もう濡れてる」「拡張はやいな」とスピード感をもって挿入する流れです。
実際、あれは「リアル」ではないですが、挿入できる状態になったことを記述することは「リアリティ」を生み出します。

無論、こういった創作物のリアリティー描写だけを見た人が、
憧れや幻想をそのまま現実と勘違いしてしまう例は、今に始まったことではありません。
（アダルトビデオを見て、異性に幻想を抱く人など）

そのため、何が何でもリアルに描く人もいます。
知ってる同人作家だと、行為の時に必ず避妊具を装着させる絵描きがいます。
「同人誌で間違った性知識を与えてしまう」という懸念からだそうです。
描写も基本は同意のみ、必ず避妊具を付けてから前戯描写もしっかりしてから本番行為をする作品をずっと描かれています。

しかし、前述のように工口漫画に大切な要素はリアリティーだけではなく、異性への「憧れ」や「幻想」も大事な要素です。
そのあたりの見極めや区別、いい塩梅で取り入れるバランス感覚が、創作側としては必要なのかなと感じます。
　
　
■まとめ
このように、なるべくリアルに近づけようとするのも作風ですし、リアリティーがなくても勢いのコメディーで走り切る作風もあります。
「創作世界のリアリティーライン」と言いますが、どのラインなら作家や読者が納得するかという「納得感」のラインでもあります。
トピ主さんはトピ主さんなりに納得するラインとしてリアリティーラインを設定しても良いですし、
リアルとリアリティーの違いを学んでからリアリティーラインを設定しても良いと思います。

トピ文を伺って、思えばどうして都合良く性的な部分だけファンタジーとして切り離すことができるのか、自分で自分が不思議になってきました。
あえて言うなら、「たまたま運良く何事もなかった」と自分に言い聞かせる感じでしょうか。
BLだと「理屈はわからないけど運良く受けの腸内はピカピカだった！そのためお互い何も起きなかった！よかった！」という風に自分を納得させます。
あるいは最初から性的ファンタジー全振りの100%エロ漫画である場合、「この世界では現代日本とは違って洗浄などしなくても常に腸内ピカピカだしそもそも健康に害を与える菌が存在しないし興奮すると勝手に濡れてくる」という風に自分で自分を洗脳します。
BLに限らず男女・GLのエロ漫画も同じ要領で己を洗脳しています。

現実では…ということが頭を過ぎらないと言ったら嘘になりますが、そういった部分の理屈だけ現実や原作の世界とは関係ないパロだと思って見てます。
オメガバースみたいな。そういう体をしているパラレルワールドだと脳内で補填している感じですかね。
創作は全て非現実なので、トピ主さんが創作を読むことを楽しめる＝非現実を楽しむことができるのですから、性描写以外の部分の非現実を楽しむように、性描写の非現実を楽しむことができる、と考えてみるのはどうでしょう？
性描写以外の非現実描写は何が好きで苦手か、とか好きな描写は現実と異なる部分をどのように受け止めているか、考えてみると切り替えスイッチが分かるかもしれないです。