俺、暁やしおは警察官だ。
それなのに俺は今、日の光が差さない牢屋の中にいる。
寝ると腰が痛くなる粗末な木の板のベットに、地面に穴が空いただけというトイレ。
かれこれ、一週間は劣悪な環境に閉じ込められていた。
思わずはぁと深いため息が出てしまう。

この牢屋の持ち主はシャドー家という貴族らしい。

なぜ閉じ込められてるかというと、それは俺の足元で背中を丸くして眠る真っ黒な毛玉のせいだ。
恨みを込めるように撫でると、奴はぐにゃりと体を伸ばしてお腹を見せたその拍子にぴょこんと可愛らしい耳が二つ。ゴロゴロと甘え鳴きをしすりすりと掌に頭を擦り付けた。

そう、この猫のせいだ。
あれは一週間前のことである。

その方の小説の一部分です。
私だったら情景や詳しい内容書きます。
こんなの小説とは言えません。

夢書きさんの小説の一部です

あぁ、またあの夢だ。
通った黒い電車が湖に映る情景が美しい街。
俺は警察官の服を脱ぎ捨てて、街の男になり子供たちと遊んでいた。
今度は四人だ、あの時手を差し伸べた金髪の少女の姿はない。

これを覚えてるということは明晰夢ということだ。
今度は、村に来たサーカスを黒い髪の毛の小さな少女を連れて見に来た。
その途中に黒髪の少年と金髪の少年、赤毛の少女が混ざってきて、５人でサーカスを見た。
その帰りに、お土産屋さんを覗く。
性格の悪い団長の顔が描かれた缶バッチを見て苦笑した後に、黒髪の少年に呼び止められた。

「やしお、誰かが泣いてる」

耳を澄ますと、サーカスの大きなテントの横、そこがスタッフたちが待機する場所になってるらしい。
そこから幼い女の子の泣き声が聞こえた。

「行ってみる。お前たちは待つように」

四人の子供達を知ってるような気がする。しかし名前を思い出せない。

立ち入り禁止をあやかってるかのように引かれた紐を容易く乗り越えて俺はスタッフルームの中に入る。

ゆっくり、ゆっくり近づくと啜り泣き声が大きくなる。
夢の中なので、草や、枝を踏み締める音や感触がない。

「君…」

見えてきた金髪のお団子頭に声をかける。
少女が顔をあげた途端、ジリリリ！とけたたましいベルの音が響き渡る。

その瞬間、ふわふわとした明晰夢から現実に引き戻される。

……………………………

「ふしゃーーーー！！！」

夢から覚めた俺に驚いたにゃん太郎が飛びかかる。

「うわ！落ち着けにゃん太郎！！！、これはただのベルの音だよ！！」

俺もなんなのかさっぱり検討もつかないが、威嚇し怯えるにゃん太郎をどうにか落ち着けてスマホの時計を見た時刻はAM4:30。

ベルの音はしばらくしてならなくなった。
一体なんだというのだ。
星つきの誰かに聞くために、俺は制服に着替える。
にゃん太郎はというとベルの音を怖がって棚の上に登り降りて来なくなった。