結局は、その主人公の決断に対してAがどう考えるか感じるか次第だと思います。
次点で、読者がAをどういう目線で見ているかどうか、でしょうか。
　
　
■殺される側の気持ち
「いままで一緒に冒険してきたのに、なんでｺﾛすんだ！酷い、裏切り行為だ！呪ってやる！」
Aがそういう思いを抱くなら、やはり胸糞展開だなと思います。

けど
「なんとなくそんな気がしてた、自分が怪物なんじゃないかって。」
「私はあなたのことが好きだし、あなたの幸せを願いたい。」
「だから、あなたに殺されるなら――」
みたいな展開なら、胸糞だとは感じませんし、むしろ感動系に感じます。
　
つまるところ、Aからの「許し」があるかどうかかな、と思います。
自分に生きる場所がない、死に場所を探していたような描写があるのであれば、あまり胸糞感はありません。
主人公に対し事前に「次、戦ったら確実に暴走してしまうだろうから、そうなる前に殺して欲しい」というようなことを打ち明けていた、などです。
鬱展開ではあるでしょうけど、胸糞度合いは抑えられると思います。
　
　　
■読者側の印象　
食事に魔法薬を混ぜるという手法なので、もしかしたらAが何かを感じたり察したりすることもなく死ぬかも知れないですね。
（食後に眠くなったり具合が悪くなって、そのまま眠るように逝ってしまうなど）
そういう場合は事前にｺﾛす理由を読者に納得させられるかどうか、妥当性を提示できるかどうか次第だと思います。

Aの暴走具合や危険性を事前にしっかり描く、流石にあれはヤベーと味方や読者にも感じさせる描写がある。
これは殺しておかないと本当にダメなんだな、と感じさせる。
そういうのがあれば、胸糞系にはなりにくいです。

けど、頼れる味方感を全開で出したり、味方の窮地を救ったりするのに、それを嫉妬したり恐れたりしてしまう。
人間の弱さの吐露とかあればまだ胸糞具合は抑えられますが、対話するということをしていない以上は
命を奪うという問答無用の理不尽をAに押し付けている以上、一定以上の胸糞感は残りそうです。
　
　　
因果応報というとちょっと言葉は違うかも知れませんが
悪行が多かったキャラが死ぬと納得感が残りやすく、善行が多かったキャラが死ぬと胸糞感が残りやすいです。
飽くまで読者視点でのバランス感覚ですが、殺しているのが悪人ならば許されるが、善人を殺していたら許されない・報いがある、と思ってます。
また、過失や意思に反して人殺しをしてしまう分には許しはあってもいいですが、明確な意思を持って殺した場合には報いがないといけないかな、と考えています。

そういう意味では、Aが善人を殺してしまっているなら主人公に殺されてしまっても仕方ないと思えます。
しかし、Aが自身をコントロールできていて悪人しか殺してないのに主人公たちが一方的に恐れて殺されるのは釈然としないです。
むしろ、Aという善人をｺﾛす主人公たちもまた、どこかで報いを受けるべきかな、と思います。
（後世で主人公が苦悩してAの後を追うとか）

『コードギアス 反逆のルルーシュ』『進撃の巨人』などは、そういった敵・味方、善・悪のバランスなどは適度で良い作品でした。
　
　
■作者の意図
トピ主さんは、読んだ人がどう思うかをこのトピで訊いています。
しかし、読者側にどういう物語を提供したいのか、という作者側の意思も大事なんじゃないかと思います。
「胸糞感を味あわせたい」というのであれば、Aへの恐怖感を払拭しきれない主人公の弱さを描きつつも理不尽にｺﾛす描写で十分だと思います。
「胸糞感を味あわせたくない」のであれば、Aがどうしても自身をコントロールできなかったり、主人公たちから恐れられて他の怪物同様に殺される宿命を察してる描写を入れるなどすることで和らげることもできます。
「出来事」は変えられなくても「見せ方」で印象操作することは出来たりするので、そういった部分でなんとか作者側として読者をコントロールするのも手法かな、と思います。
　
　
■参考
本来、敵性生物であるものと人間の共闘を描いた作品とかも参考になるんじゃないでしょうか。
『アイアムアヒーロー』
『鬼滅の刃』
『クロノクルセイド』
『エルフェンリート』
　
■まとめ
「鬱展開」「胸糞系」タグをつけるかどうか、ということでしたが
作者としてまず「鬱展開」「胸糞系」を目指していないならば、
ある程度執筆段階でそれらを回避する演出を入れてみてはどうかと思いました。

ただ、現状トピ文のままで作品を解釈しますと
＞今まで戦った怪物以上の猛毒を出すようになり、人間を狂わせ最終的に死なせてしまう。
＞解かれつつある封印を治す方法は不明で、自分と村人が助かるにはAの命を奪うしかない
＞Aは自分が怪物である自覚はなく、主人公がこのことを知ったことも知らない
＞このことはAに黙っておき旅を続け、手に入れた伝説の花を使いAを死なせることになった
「鬱展開」「胸糞系」だと私は感じると思います。

それ以上の鬱作品に触れてきたせいかあまり胸糞展開とは感じませんでした。
｢伝説の花があると知る｣｢ひょんな事から｣等ちょっとご都合主義が過ぎるかなと思います。
初期RPGのような｢そんな重要な情報簡単に知れる？｣みたいな…？
あと毒にかかったものは仲間を嫉妬心から攻撃するとありますが、どの程度の攻撃か？○すまで止まらないのか？等気になりました。
あとは怪物がはびこる世界なのに傷ついたよくわからないものを介抱するか？ついて行くと言われ了承するか？が気になりました。主人公達甘すぎない？と。
個人的には仲間と話し合ったりせずAが怪物だと分かった時点で躊躇いなくやる展開が好きです。それか情熱系主人公なら危険だと諭す仲間を振り切ってAと旅する事を選ぶとか、とにかく話し合いされると冷めます。

他の方のコメントにもありますが、Aの死に必然性があるかどうかで変わると思います。
怪物かも？で勇者たちがころしてしまったなら胸糞かもしれません。
死ななければならない明確な理由(性格が変わり一線を超えてしまったとか、Aが死ぬことで何らかの呪いが解けるとか)があれば、悲しい話だな…という印象に収まります。演出次第ではありますが…

トピ主さんが意図的に書かれていないだけかもしれませんが、Aの「解かれつつある封印を治す方法は不明」のところが気になりました。不明のまま殺されちゃったら胸糞かなぁ…
殺された後に治せることが判明したりしたらすごく鬱展開だなって思いますね。

トピ主さんが鬱展開を回避したいのか、あえてそうしたいのかがわからなかったのですが、展開と演出でどちらにも出来ると思います。

一次創作なら普通に面白い。明るくはない。
大筋は良いけど書き方にもよるかなあ。

この一時的な仲間のタヒになんの意味があるのか？
主人公の成長や変化に繋がるのか？
その後の話の伏線になるのか？
コロす時の主人公の葛藤はどうか？
その後主人公のトラウマや進む糧になるのか？
上記のような(ハッピーエンドじゃなくても)一種の救い、このエピソードをやる意味はあるのか？
ぶっちゃけるとお涙頂戴を狙ってるだけだとしたら、離脱する仲間で泣いてもらうためのエピソード描写は十分か？
読み切りか連載かは知らんけどオチをコレだけでつけるにしても、今後の話に続けるにしてもここらへんは大事かな。

単純にこっちを慕うキャラをコロすのが胸糞悪い言うならそりゃシチュとしては胸糞悪い。
使い方次第。

一次創作で、なおかつその慕ってくる相手が人間ならめちゃくちゃ大好物です。そういった意味で是非とも胸糞・鬱展開両方のタグを付けておいて欲しいし、なんなら薬で苦しみ抜いて死ぬ描写があるなら是非ともR18Gとリョナタグも付けて欲しい。探し出して喜んで読みます。
でもまあ、人外キャラ、もし仮に特に猫そっくりな見た目だと好き！から一気に地雷にひっくり返るし、絶対に読みたくないから、胸糞・鬱展開タグを付けたうえで、キャプションにどういったキャラが殺されるのかをちゃんと書いておいて欲しいです。
人間が死ぬのは大好きですけど人間以外の動物、特に猫が殺される話は大嫌いです。人外を殺,すくらいなら人間を殺して欲しい。