2024年時点の最先端を物語で知るのはちょっと難しいんじゃないかな
例えば、今の情勢をベースに調査や取材してからストーリーを練って作品にするだけでもまともにやると数ヶ月はかかる
商業作品だとそういう専門知識系の作品には監修がついたりするのでどうしても時間がかかってしまいがち
聞きかじりの飛ばし情報をそれっぽく採り入れてるだけだったら1ヶ月くらいでもアウトプットできるかもだけど、そういうのは同人で探すしかないと思うし鵜呑みにするとトンデモ作品になっちゃいそうだしなー
新しい情報を取り込みたいなら、フィクションからではなく上にも出てる軍事研究みたいな雑誌やニュースを地道にチェックしていったほうがいいと思うよ
特に軍事研究はお勧め
昔だったらそういう調査は大変だったけど、今は世界の軍事情勢の解説動画なんかもわんさかあるし各種ニュースと照らし合わせてファクトチェックもしやすい、無料でいろいろ情報をゲットできる時代だから活用した方がいいよ

他の方がコメントでも答えられていますが、
最新事情をキャッチするのは創作物よりも、ネットや情報誌の方が最適です。
創作物（漫画・映画）には製作期間などがあるので、どうしても「最新」ではなくなってしまいます。
また知りたい軍事情報の種類・種別によってもアプローチの仕方は変わるのかなと思います。
（コメント内のリンクにはプロモーションも含まれます）
　
　
■最前線の戦闘について
例えば、ロシア・ウクライナ紛争は2022年2月24日に始まりました。
2022年3月下旬から現地取材を開始した映画監督が数日後の2022年3月30日に亡くなり、製作スタッフが引き継ぐ形で2022年5月に完成させた『マリウポリ 7日間の記録』というドキュメンタリー映画があります。
映画自体は2か月ほどで完成させたことにはなりますが、これが日本で上映されたのは2023年4月であり、およそ1年の開きがあると言えます。
そういった製作期間の他に、翻訳や検閲などの期間も国を跨ぐ「軍事」というテーマ上は避けて通れないです。

なので、2024年最新の軍事事情を追うのであれば、創作物を追うよりも「情報」を追った方が最新と言えます。

例えば2021年までであれば『LiveLeak』という動画サイトで軍事的な現場の、そして凄惨な動画を見ることが出来ました。
なのでアフガン戦争やイラク戦争の最前線を知るにはLiveLeakが最適だったと言えます。
2021年に閉鎖されて以降は『Leaked Reality』などのサイトがその代替となっているようです。
例えば、今のロシア・ウクライナ紛争ではドローンがかなり積極的に使われています。
ドローン兵器で敵兵を倒す様子や、ドローン兵器を運用する様子、ドローン兵器を作る様子などが動画で撮影されてアップされています。
こうした動画はYoutubeなどには規約上アップロードできないか削除されてしまうため、『Leaked Reality』のようなサイトが使われます。
　　
　
■戦術・戦略について
軍事とは戦闘・戦術・戦略の３段階に分けて見聞することが出来ます。
一般人がキャッチできる情報としては、やはり軍事関係のニュースだったり雑誌は有用です。
例えば軍事技術の展示会を取材した記事などは、正式採用されるかどうかは別としても、現在よりもちょっと先の「最先端」な兵器を知ることが出来ます。
軍隊に正式採用されるには、費用対効果やコスト面の問題などもあるため、決して最新技術を駆使した展示品がすべて今後の戦争で活躍するたけではありません。
一部の軍事マニアが購入してレビューして終わる例もあれば、展示から10年という年月をかけて調整やコストカットをして正式採用に漕ぎつける例もあります。
そういった最先端も知りつつ、軍隊に正式採用された装備について知見を広げていくと、常に今現在の軍事事情に通じるようになるのではないでしょうか。
昨今は正規軍同士の戦いよりも、テロ組織と民間軍事会社のような非正規軍の活動も活発です。
　
　
■歴史について
また軍事とは歴史でもあります。
そのため、現状や先端だけでは知識が不足することも多々あります。

例えば、昨今のイスラエル・ガザ地区の紛争ですが、なぜあんな紛争に発展したのか分からない、という人はそれなりにいるようでした。
歴史的な背景を知らないと理解できないことは軍事には付き物だと思います。
どことどこがどういう理由で争っているのか、その動機や歴史を知ることもまた、兵器の特徴やコンセプトを理解する上でも役立ちます。

陸軍と海軍、西側と東側の兵器設計思想の違いなどが顕著です。
イスラエル軍の戦車であるメルカバなどは、エンジンが前方配置され後方には広い室内空間が確保されています。
これは人的リソースである搭乗員の安全第一で設計されていることがその特徴として出ています。
戦闘機に乗り込むための梯子は、空軍機だと外付けで海軍機だと内蔵であることが多いです。
これは空軍機は基地運用なので基地の陸上兵士が付け外しすればいいのに対し、海軍機は他国の基地や空母に着艦することが多いため合う梯子がないことが多いため内蔵式になっています。
こういった運用面や設計思想の違いを知るには、最先端の情報だけでなく、過去にどういう知見や経験があったから今現在もこうなっているという、点と点を繋ぐ「歴史」という線の情報が不可欠だったりします。

トピ主さんが作りたい作品的には装備的な情報が優先されるとは思いますが、こういった歴史的な情報も是非取り入れてみると面白いのではないでしょうか。
安直ではありますが、人類共通の敵が現れることによって今まで敵同士だったものが手を組んだり、敵同士が故に互いに詳しくすぐ共闘できると言った展開も描けるのではないでしょうか？
例えば、アメリカ軍では敵国兵器を鹵獲した時に使えるようにAK系銃器の射撃訓練があったりします。
　
直近であれば10年20年、ものによっては50年100年の軍事的な歴史を追うと、最新情報に触れたときに理解度がより深まると思います。　
　
　
■技術について
SF的な内容を描く上では、紛争の状況であったり、国同士の軍事的緊張度といった軍事情報よりも、兵器や武器の技術的情報の方が創作には活かしやすいと思います。
また兵器・武器の情報も幅は広く、兵器（陸軍兵器・海軍兵器・空軍兵器）と部隊火器に大別できると考えます。
日本の雑誌で言えば以下の雑誌が有用ではないでしょうか。
（私は『Gun』という雑誌を愛読していましたが、休刊になってから紙媒体の雑誌は少し離れているので、そこまで詳しくないですが参考までに）
部隊火器：SATマガジン
海軍兵器：Ｊウィング
空軍兵器：Ｊシップス
陸軍兵器：パンツァ

また兵器や武器や採用されてから10年20年は運用されるため、基本的に10年20年以内の情報を知っていれば、概ね現在の知識と言えます。
そのため、創作物であっても10年以内の現代を舞台とした作品であれば、現状を映した作品であるといえるのではないでしょうか。
　
　　
■経済性について
兵器や武器を知る上で、実は技術だけに知識が偏ると現実感がなくなっていきます。
優れた技術が常に最前線の武器になるわけではないからです。
実際現場で喜ばれるのは「コストパフォーマンス」に優れる兵器です。

ウクライナ紛争では主婦が火炎瓶を作って戦車に投げつけ応戦したり、博物館から第二次大戦の大砲を持ち出したり、とても多岐に渡りました。
ドローン兵器がたくさん使われるようになったのも、技術が優れているのではなく価格が安く済むためです。

ソシャゲなどでよく「札束で殴り合う」という例えがありますが、現実の戦争も例外ではありません。
もちろん人命にかえられないものはないので度外視して投入されることもありますが、戦場では如何にしてコストパフォーマンスに優れた方法で最大限の戦果を挙げるかが肝となってきます。
でないと、先にお金がなくなった方が戦争に負けてしまうため、少しでも節約して少しでも効果を上げることが優先されるからです。

例えば、対戦車ミサイルAGM-114 ヘルファイアは1発あたり800万円ほどします。
1両2億円の戦車を攻撃するのにヘルファイアを撃つのは費用対効果があると言えますが、50万円の中古車に対空砲などを括り付けた総額100万円のテクニカル車両を攻撃するのは割に合わないと言えます。
しかし、ドローンに爆弾を括り付けて自爆攻撃させれば50-100万円ほどで済みます。

米軍が開発したAT-6E ウルヴァリン軽攻撃機は前時代的なレシプロ機であり、とても最先端技術を詰め込んだ戦闘機というわけではありません。
開発経緯としては、戦闘機の運用コストが背景にあります。
一般的な戦闘機を1時間飛ばすと500万円ほどかかります。
空軍機同士の戦闘や、制空権が確保できていない地域への偵察や攻撃であれば、そのくらいのコストをかけてでも戦闘機を派遣する意味があります。
しかし、既に制空権が取れている地域への偵察や攻撃にそこまでコストをかけるのは費用対効果が高くありません。
AT-6E ウルヴァリン軽攻撃機は1時間あたりの費用が15万円と格安で運用できます。
実際に派遣される予定地は中東やアフリカなどの空軍的脅威が少ない地域です。

こうした経済性や費用対効果から、決して現場で運用される兵器は最先端のものばかりではないです。

実際、東側地域で一番使われているAK-47カラシニコフ銃は1947年に生まれた銃で、バージョンや派生もありますが、ずっと使われている技術と言えます。
現場の今を知るには、技術的な最先端の知識だけでは知り得ない「実情」というのも知ることが必要です。
　
　
■創作において
＞大怪獣と軍隊を闘わせるのが主題ではなく、
＞あまりにトンデモにならなければいいぐらいの感じです。

トピ主さんに必要なのは「最新」の軍事情報ではなく「基本」の軍事情報なのかと思いました。
特に軍隊の運用面や戦略的な知見は、トピ主さんが描こうと思う作品に役立つのではないでしょうか。

基本的なことで言えば、軍隊内の階級であったり、兵器の運用範囲であったりの知識です。
軍曹と少将が現場の最前線の戦車の中で一緒に戦ったり、対戦車ヘリに装備されたAGM-114ヘルファイアミサイルで咄嗟に飛行している怪獣を撃ったりするのは、一般的な軍事常識からは外れたトンデモの範疇です。

もちろん、一般論には例外は付き物です。
訳あって将校である軍人が前線視察に来たタイミングで襲撃を受けて避難し、たまたま同じ戦車に乗り合わせることはあるでしょう。
対戦車ヘリ以外に出撃できる航空機がなく飛行している怪獣を迎え撃つために、対地用AGM-114Aヘルファイアミサイルから対空用AGM-114NヘルファイアIIミサイルに換装して撃つこともあるでしょう。
しかし、そういった例外をしっかり説得力あり現実的に描くには、それなりの知識のバックボーンが必要となります。

最先端の情報だけ追っているとそういった「基本」は省かれがちなので、まずは「基本」を押さえた上で応用となる「最新」を追った方が良いのではないかと思います。
　　
　　　
■まとめ
・最新情報が創作物に反映されるには1年～10年のタイムラグがある
・正規採用されてから10-20年は運用されるため、10年以内の情報はほぼ最新
・現場の戦闘情報だけでなく、戦術・戦略レベルの情報も有用
・技術だけではなく地政学・歴史・経済的な背景を考慮するのも有用
・創作に活かすなら最新情報よりもまず基本情報を押さえた方が良い
　
　
■その他の参考
参考になりそうな作品やサイトを挙げておきます。

『シン・ゴジラ』
https://amzn.to/3YAx4U2
自衛隊の運用などは現役でも驚くほど現実的に描かれています。

『OBSOLETE』
https://youtu.be/-PxH7dIhBy4
SFですが、戦争の経済性についてよく描かれています。

『ヨルムンガンド』
https://amzn.to/3yk4OKX
連載当時の2010年頃の軍事事情が反映された漫画です。

『ハンターキラー 潜航せよ』
海軍と特殊部隊についてよく描かれています。

『ネイビーシールズ』(2012)
米軍SEALsが全面協力し、本物の現役隊員も出演しています。

ミリレポ
https://milirepo.sabatech.jp/
日本語で最新の軍事情報がほどよくまとまっているニュースサイトです。

近未来を舞台にしたミリタリー漫画を描きたいです。
https://cremu.jp/topics/11632
アメリカ軍の最新の銃器について述べた過去トピです。

銃に関して基本的なことを勉強したい
https://cremu.jp/topics/6148
銃火器知識の初心者向けにまとめた過去トピです。

自分より階級が低いけど直属の部下ではない軍人のこと
https://cremu.jp/topics/30329
軍隊の階級について述べた過去トピです。