個人的な考えですが、頭の良い人は教材を必要最小限の個数しか持たないそうです。
例えばその教本一冊でざっと2から30通りの練習ができます。
ぱっと見で見栄えが良くなるようにしたくて練習するなら、輪郭だけの模写で十分です。
全体の自然な表現を練習したいなら、筋肉の繊維の流れまで描くのが効果的でしょう。
物の浮き感を無くす(そこにある感じ)を練習するなら、足元だけの練習もいいでしょう。

また、初心者にありがちな、何を勉強したら良いか分からない。という事もあると思いますが、正しいかどうかではなく取り敢えず、勉強方法を模索するために模写をするという考えもありだと思います。これには時間の決まりがありません、場合によってはその模写を100毎程描かないと意味がない可能性もあります。そうなれば、1枚の時間ではなく100枚分の時間が本来の必要な時間になります。
だから、大体の方は、最初は楽しく続けていけるように思いつく練習なんかを色々試してみるのがいいよ。と言ってくることになりますね。

ちなみにデッサンも模写も本当に学ぶ気で行うなら最低9時間はかかるし、思いついた考えなんかをまとめ出すと大体1ヶ月くらいはかかります。だから、やめたくなったらやめて他のことをしつつしていけば良いとおもいますよ。

後は質問への回答、模写しますね。　自分の場合はイラストに使える解剖学等別の本ですが、全身だけでなく、筋肉のねじれの模写や、骨の本数を数えながら脊髄とか模写ってました。　

↑でも言われてるように繊維の一本一本まで描く必要は無いよ。
でも骨格と筋肉覚えるとキャラに説得力が出てくるから
簡単にでも模写はやったほうがいいと思う。

あと、モルフォも良いんだけどそれ以外にもこの教本かなりおすすめ。

「アーティストのための人体解剖学ビジュアルリファレンス」
https://www.borndigital.co.jp/book/24062.html

これはモルフォとは違って、実際の写真を筋肉図、ポリゴン、イラスト線それぞれで
表すとどうなるかが載ってるから、リアルな人体を描くときのアウトラインや必要なラインが分かる。
モルフォだけだと実際にキャラにした時にどこの線拾えばいいの？
筋肉らしい線ってどこに描くの？ってのが
分かりにくい時もあるんだけど、こっちの本では参考例も多く載っててめちゃくちゃ役に立つよ。

5,000円弱で少し高いんだけど、その価値は充分あるから
もし本屋さんとかで中身見れるようだったら一度見てみて損は無いよ！
（※局部もモザイク無しだから、苦手なら注意してね～）

筋繊維とか内臓とか骨って、漫画描いてる時に描きますか…？
そういう中身のシーンならわかりますけど、絵を描く時って大体普通の人間描きますよね？だからそこまで徹底的に模写してないです。
じゃあなんで教本に人体の中身が描かれてるのか？それは人間が動作する時、どこの骨が動いて、どこの筋肉が動くかの参考資料として描かれています。

でも、それはあくまで参考です。自分でも「人体」っていう最高の資料を持ってるじゃないですか。そっちも有効活用しましょう。
例えば、片手を前に伸ばしてパンチするポーズ。やってみてください。反対の手で、腕を前に伸ばしてる方の鎖骨に触れてみてください。鎖骨が前に動いてる事が分かるはずです。
あとは、描きたいポーズを自分でやってみるのも勉強になります。自撮り棒とかで撮影すれば資料に使えるし、何よりも重心を体感できるのは大きいです。どこに重さが集中してるのか。そういう経験は絵に落とし込めます。

本で学べることは多いですが、「自分が何を目的にしているのか」「なんのためにこの本を使っているのか」を考えながら、本を有効活用していってください。