私も自分の書いた台詞が上滑りしているなと感じることがあるのですが、大抵はその言葉を生み出したはずの感情表現が作中で欠けている（または読者が見落としそうなほど弱い）か、台詞に対する行動に矛盾がある場合に起こっています。

例えば、男が友人に「お前は誰にでも優しいよな、俺と違って」と言う台詞があるとして、
・なぜ男は皮肉じみたことを言ったのか？
・友人と自分を比べる必要があったのか？
・この発言の衝動はどこから生まれたのか？
などのようなことを考えます。あるいは反対に、男の心理状態を考えた末にこの台詞が思い浮かぶこともあります。

次に、この台詞を言わずにおれない場合の男の行動にはどんなものがあるのかを考えます。
・どのような友人とのやり取りがあったからこの台詞が飛び出したのか？
・この台詞を言ったあとに相応しい行動は何か？

こうやって書き出してみるとなんだか国語の文章問題みたいですが、正解にいたるヒントが本文の中に隠されているように、その台詞を発するまでの（あるいはそのあとの）感情の動きが見えてこないと、どうしても棒読みのように、台詞回しのためだけに存在するように感じてしまうのかなと思います。
（それで今思いついたのですが、無料で公開されている国語のテスト問題を解いてみるのも教材として面白そうだなと…私もやったことないので参考になるかわかりませんが）

以上のようなことを別に論理的に考えなくても、他のながら作業をしながらぼんやりと思いついたことを片っ端から書き留めておくとキャラクターへの理解が自然に深まっていくと思います。

それからこれは私がよくやってしまいがちなことなのですが、妄想を膨らませるにつれ焦点のぶれた幻覚を見始めるようになります。集団幻覚のこともよくあります。妄想に妄想を重ねると軸が動いてしまうので、定期的に原作を見返すことは当たり前ですがすごく大事です…