エイプリルフールですね。これは私が体験したアンソロのお話です。

それは大して寒くもない冬のこと、私は繋がって間もないフォロワー（主催者）にアンソロに誘われました。
繋がって間もないしそのカプでちゃんと描いたことないしな～（でも布教されて好きになってはいるんだよな～）と悩みましたが、主催者も同人歴が長くDMや通話をして人柄も問題なかったので考えた結果、参加申込〆切ギリギリで参加申込しました。

そして、私は参加申込したことを忘れました。

数日経って、「そういえば参加申込したっけ？したよな？」と思い出しましたが、
経験則から「参加申込フォームにツイ垢とメアドの入力蘭があった為あとから最終確認と詳細がくるよね」と考え問い合わせもせずに待っていました。

待てど暮らせどメールもDMも来ません。

季節は変わり私は「やっぱり参加申込していなかったんだな。飲酒時に申込するものじゃないや、飲酒してたかも覚えてないけど」と自己完結しました。
そのまま穏やかに季節は流れ、誘われた当初こそ新規フォロワーだった主催者もすっかりTLのいつメンと化し、リプや通話でジャンルや推しカプの話からSDGsまでいろんなことをよく喋りました。

日々の会話で度々アンソロの進捗やリスケの話題が出てきました。

アンソロの話題はアンソロ参加者である共通フォロワーがいるグループ通話でよく出ていたので、その人に向けて話しているのだと思っていました。私は無邪気に「原稿ファイト～」「フォロワーのカプ楽しみ！」「このご時世だからリスケしょうがないよ～」等と言っていました。まさか自分が参加者だとも知らずに。

さらに季節が過ぎ、延びに延びたアンソロの〆切もあと1ヵ月これで本当に決まり！となり、私も他人事ながら一安心して完全に油断していたところで強烈な言葉のパンチを浴びました。

主催者「トピ主さん忙しそうだからお誘いしてもいいのかなって思ってて～」

＞ ホワイ！？！？？　オマエ　イマ　ナンツッタ？？？ ＜

私はこの時初めて自分が参加者（候補？）だったことを知りました。
おそらくあの日押していなかったはずの参加申込フォームの送信ボタンは押されていたのです。
ああ、メールもDMも来ないって待っていた私がバカだった……
グー〇ルフォーム使うなら回答者に回答内容を送信する設定をしておけよと思うより前に自分が申し込んだかどうか覚えておくのが当たり前田のクラッカー……
あまりのパンチ力の高さにこの時の記憶も曖昧なのですが、私はとにかく動揺を隠しながら「わかった、何日〆切ね～」と返事をしました。
ちなみにこの時は急だったのと、あとから落ち着いて考えても怖かったので「グー〇ルフォームの申込届いてた？」とは未だに聞けずにいます。

さて、えらいこっちゃ～！と思いながら私は早速原稿作業に取り掛かりました。
アンソロだし数ページ描くだけだから1ヵ月で余裕だよと思っていましたが、こんな時に限ってネタは難産だし途中で全く別のネタに変えちゃうし変えたネタは面倒な設定でそれを考えるのにまた時間を要し……あっという間に半月が過ぎました。ページは2桁になりました。

そうやってプロットが難航して焦りつつもしっかりTLは見ている私の目にとんでもないものが飛び込んできました。アンソロ辞退者によるトラブル報告です。サムネですらわかるヤバさの長文テキスト画像！これはとんでもないぜ！！と思って開いたら想像以上にヤバかったので割愛しますが、内容としては100:0で主催者に問題がありました。

とにかく私は、私の知らないところで起こっていたトラブルのヤバさに辞退も考えたのですが「いや、主催者からの説明を聞いていないからまだ辞退はしないよ。こういう時は双方の主張を聞かなくてはね」と考え主催者側の説明を待ちつつ、私の手元で生まれたばかりの純白の原稿に集中しました。

これまでの経験から主催者は連絡が極度に苦手なタイプだということはわかっていたのですぐに事が動くことは無いだろうと思いながら原稿を進めていたある日、飛び込んで来たのは予想をはるかに超えるビッグなアクション――！

主催者「弁護士に相談しました」

「おもしれぇ女」思わず口からこぼれた台詞、それは人生で一度は言ってみたい台詞の一つだったのにまさかこんな……こんなにもトキメキが伴わないなんてッ！
私の驚愕とトキメキポイントの消失はさておき、主催者がぶっ飛んでやがると確信したこの頃にはあんなに白かった原稿もすっかりAB色に染まっていました。
きっとこのトピの閲覧者諸君は、私の原稿のことより主催者の行動の方が気になってるかもしれませんが、弁護士への相談内容については詳しく聞けずにいるため私の知るところではないです。しかし、アンソロについて相談したとは言っていました。偶然同じ時期にプライベートで問題があっただけだと信じたかった私の一縷の望みは儚くも泡と消えました。

常人ならここでヤバさを感じてアンソロを辞退すると思いますが、前述した通り私には「参加申込しておいて忘れていた」という私のみが知る重罪を働いています。その負い目からかあるいは原稿が修羅場っていたからかはたまたその原稿が近年稀に見る会心のネタだったからか……いずれにせよ当時の私は明らかに判断力が低下していました。私はこのまま参加することに決め、なんだかんだあって原稿を完成させて主催者に提出しました。提出の数時間後に受取連絡が来て安堵しました。

それから3週間が経過した頃、私はリア友と遊びに行きました。リア友は別ジャンルで活動している同人仲間で気心も知れているので、近況報告も兼ねてアンソロの話をしました。
私「良いネタだけどハジけてるからアンソロ向きじゃない気がして心配だわ」
友「お疲れさま！内容について主催者さんはなんて言ってたの？」
私「主催者さんは……ナンテ、イッテタ、ノ……？」

そうえいば、提出した原稿の感想を聞いていませんでした。

並みのアンソロならこれだけでトピが立つぜ！と思いますが、当時の私はクレムを知りませんでしたからただただ主催者から感想を聞いていないという事実にしょんぼりしました。
しかし、後日主催者と通話した際に原稿のお礼と感想を言っていただきました。タイミングが悪かったんだなとしょんぼりも解消しました。

そして寒い冬がやってきました。
アンソロは無事に発行されることになり、執筆者とサンプルが公開されました。
ようやっと！終わるぞ！このアンソロとの関わりの終わりが見えて来たぞ！
私は解放感から意気揚々とアンソロの宣伝もしました。
通販発送予定日の数日前には主催者が本とノベルティが届いたと写真付きでツイートしていました。これを見た私は、無事に形になったんだと安心し、あとは献本を待つのみとなりました。

通販発送予定日からひと月経ち、献本はおろか送り先の連絡も来ません。
刑期を終えたと思ったら仮釈放だったなんて……私は忘れられているのかと考え他の参加者が献本報告をしていないか、読者が感想をつぶやいてないか等を調べましたが見つからず、手詰まりになり友人（お茶したリア友ではない）と参加者の一人に相談しました。
相談した結果、参加者は私と同様にまだ献本の送り先について聞かれていないということでした。ひとまず、私だけが忘れられているわけではなかったという安心感とそれとは比べ物にならないほど大きな「献本されないんじゃ…？」という不安で胸がいっぱいになりました。

そして私は勇気を出して「献本がまだだけどいつ頃になるか？」という連絡をしました。もちろん、相手は弁護士相談スキルを持つ主催者なのでなるべく相手に寄り添った優しい内容かつ親しみもある文面で送りました。クソ長くなって面倒でした。

数時間後に主催者から返信がありました。要約すると「遅くなってごめんなさい、今日連絡先を伺う予定でした」ということでした。

あ～！またしても私はタイミングが悪いですこと！
今日一日我慢したら、初めて主催者発信の文字連絡をいただけるチャンスだったのに！こなくそ！もう主催者がアンソロに関して自発的に私にDMを送ってくれることはないだろうな！あ～あ！！

そして、数日後に無事にアンソロの献本が届きました。
私の原稿はミスもなく最高の状態で印刷されていました。他の参加者の作品も良かったです。主催者には受取連絡とお礼と感想を、相互フォロワーの参加者にも感想をDMしました。
これで本当にこのアンソロから解放されるぞ！そうだ、あれからちょくちょくアンソロの話してたリア友や相談にのってくれた友人も心配してたから無事を報せなくてはね、等と考えながらアンソロをペラペラ眺めていた私の目に飛び込んで来た新たなる衝撃――！

＞　何！？　このアカウント、知らん！！！　＜

奥付に記載された主催者のツイッターアカウントが、知らないIDでした。
ジャンル垢っぽいので早速調べてみましたが、そんなアカウントは存在しませんでした。更に調べてみると、主催者の本垢でこの未知IDが自身のジャンル垢として紹介されていました。更に詳しく調べてみると、確かにジャンルの人とABについてリプのやり取りをしている形跡が出てきました。しかし、早くて夏頃にはアカウントを消したようでした。
つまり、主催者は消したアカウントを奥付に掲載しているのです。
本垢やアンソロ告知用垢があるにも関わらず、既に存在しないアカウントのIDを奥付に載せるのはあまりよくないことだと思います。

そこで質問ですが、エイプリルフールは本来4月1日限定なので二次創作でも鮮度が大事だと思いますが、自ジャンルの公式が翌日までや1週間等の期間エイプリルフールネタをやっている場合は、その期間中にエイプリルフールネタの二次創作（公式のネタとは関係ない）を投稿しても鮮度ピチピチですかね？