詳しくは無いのですが、自ジャンルでの話をします。
公式からハッキリとガイドラインが出されており、非営利目的の場合においては二次創作物販売OKですが、受注生産は非営利とはみなさないと書いてあります。
つまり、利益が出ない値段設定だとしてもアウトとされるようです。
理由は分かりませんが、公式がハッキリ言っているので自ジャンルでは出来ません。
たまにガイドラインの確認を怠ったであろう方が受注を行い匿名ツールなどから注意されたりしているのを見ます…

自ジャンル以外でも公式が禁止しているところがあるかも知れません。
それが広がって全体的に受注生産はダメという空気が広まったのかも知れませんね(詳しくないのできちんとした理由は答えられなくてすみません！！)

＞具体的に営利目的と判断されて注意を受けたケースは存在するのでしょうか？
女性向けアプリゲームの有名作品で「二次創作物の受注生産は営利目的とみなして禁止する」というガイドラインを設けているものが複数あります。

＞多分、受注生産に頼ろうとしている人の多くは
印刷所が指定する最低部数の頒布もままならない、極めて小規模の活動だと思います。
それはそうかもしれませんが、だからといって受注生産をOKにしてしまうと最初から営利目的の人間の行為も容認されてしまうので……

＞また、営利目的という観点では、大量に刷って、書店にも卸し、
大々的に宣伝をされている作家さんの方がよほど潤っていると思うのですが、
なぜこうした活動は、受注生産＝営利目的だと考える人達に黙認されているのでしょうか？
人気サークルの場合、印刷数を絞りすぎると高額転売が横行し、原作者権利者でも二次創作作者でもない第三者が不当に利益を得ることに繋がります。
大手は大手でノベルティなどで利益が出すぎないよう調整をかけている場合が多いので(全てとはいいませんが)黙認されていると予測されます。
そもそも大量にするためには最初の持ち出し資金が数十万かかりますから……部数読み違えたら大赤字ですし、営利目的でやるにはちょっとリスク高すぎますよね……
(そのあたりを受注生産だとクリアできてしまうのでNGとされている面もあります。)

＞昨今増えつつある、リクエストサイトを利用した二次創作イラストの受注制作の方が
よっぽど営利目的だと思うのですが、なぜこちらを注意する人はあまりいないのでしょうか？
そういったサイトで有償リクエストを出す層と二次創作同人誌を好む層があまり噛み合っていないからです。知らない・興味のない世界のことを注意しようとは中々なりませんから……
これから先有償イラリクの規模が拡大すると注意する人も増えるかもしれません。

「受注生産は赤字や在庫が出ないようにコントロールできる」というあたりが営利目的っぽさを醸し出していて叩かれるんだと思います。
とはいえ値段をすごく安くして黒字が出ないように工夫できるでしょうし、トピ主さんのおっしゃるように「限られた同志にだけ」という二次創作の建前にはむしろ沿っているんじゃないか？というのは私も同意です。
「大量に刷って書店に卸し、大々的に宣伝」の方がよっぽど……というのも、既にそれが「当たり前」として根付いてしまったので、いちいち批判しようという人がいない・いてもスルーされるんだと思います。
一方で受注生産はまだ一般的ではない生産・流通方法なので、「営利目的っぽい！」と強い拒絶反応が出てるんでしょう。

そもそも、今の二次創作の自治ルールというのは9割方が法律ではなく個々の感情に基づいて生まれ、運用されています。
二次創作が法廷で「犯罪だ、違法だ」とされた判例はありません(よく引き合いに出されるドラえもんやポケモンの例も、法廷では争わずに二次創作者側が折れる形で決着がついてます)
しかし、それでも気持ちとして「原作のファンだから二次創作をしてる。お金が欲しくてやるのはファン活動なんかじゃない」とか、「他人の生み出したキャラを借りてるくせに創作者気取りでお金も取るなんて恥ずかしくないの？」とか、そういう感情が女性向けには顕著で、それらが自主規制的行動へと繋がっているんだと考えています。
なので「よく考えたらこれがOKでこっちがNOなのおかしくない？」みたいなことが起こるのは当たり前です。国の法律のように隅々まで検討されて整備されたルールではなく、「なんとなく」「みんなの空気」から生まれたものだからです。

男性向けなんかだとそういう忌避感が薄く、「エロければ良い」「萌えられれば良い」という空気が支配的なので、営利目的らしき受注生産も普通にありますし、同様に女性向けではタブー視されてるグッズの大量生産に乗り出して、それを公式から咎められた同人作家もいるほどです。

なので、いくら調べても「そういう空気だから」以上の答えは多分出ません。ですが「空気」ではなく「国の法律」に近い厳格なルールで縛ろうとすると、企業(公式)側も二次創作者側もかえって困ることが多くなる(はっきり線引きすることでチキンレースを始める人間が出てくる)ので、色々となあなあのままの方が都合いいのかもしれません。