細かい漫画好きですが、悩んでいるポイントはよくわかります。

トピ主の漫画を読まない事には具体的なアドバイスにならないかもしれませんが
もしかしたらキャラの心情の全てを表情で表そうとしていませんか？

感情を揺り動かす漫画は、カメラワークがとてもうまいです。
大切なのは”空気感”です。
え、空気感なんてどうやって漫画で描くの？と思われるかもしれませんが、
要は引き算です。
ページ全部がみちみち詰まっているならキャラがいるコマを減らして、
同じようなアイレベルならカメラを引いてみたり角度をつけてみたりして
俯瞰の構図を入れてみるとか、色々手はあります。
感情を表すのはキャラクターの動きや表情だけではありません。
その世界にあるものすべて使って表していいのです。

キャラの足元、手だけ、後ろ姿だけ、逆光、見切れ、余白、
または人間が居ない広い空だけ、広い原っぱだけでも
心情や場面を表すことができます。
全コマに推しカプを出してしまうと、その世界がとても狭く感じられ
空気感が薄れます。

キャラの全てを描こうとしてしまうと、見る側に想像する余地が無くなります。
読者の感情を先回りして決定づけないように意識してみてください。

また、邦画とフランス映画をご覧になるとの事で
それらは一見地味に見えるかもしれませんが
どちらも”空気感”を大切にしているジャンルだと思います。

これは好き嫌いがあると思いますが、邦画だと
「かもめ食堂」とか「めがね」などが空気感のあるものだと思っていて、
自分もよく参考にしています。
キャラクター背景や舞台設定は詳しく描かれて居ないので
それは見る側が解釈していかなければいけないのですが、映画の中では
世界観のヒントになるものがたくさん散りばめられています。
一見意味の無さそうなカットにも、その映画の”空気”がちゃんとあります。

あとはストーリーを想像させる構図のヒントとして、
ハンスPバッハ―のvisionという本がおすすめです。
陰影やカメラワーク、シェイプなど、訴えかけたい心情はどうしたら
伝わるのか、という事を教えてくれます。

色々言いましたが、今のみちみちした漫画も充分トピ主の武器だと思いますので、
そこを大事にしつつ、様々な手法を試してみてください。
応援してます。