あくまで自分の場合はなんですが、

・自分で撮った写真(自然物や建物)
見て描くこともありますが、特徴的な建物などは規定がある場合もあるので一応その都度調べます。

・ネットや雑誌などの写真
「どういう特徴があればそれらしく見えるのか」のエッセンスを抽出するようなイメージでなるべく多く(数百枚とか)の写真を見た上で、頭の中で構築し直してゼロから描いてます。

他人の撮った写真そのままというのはいいとは思いませんが、トレスだとしても元画像がトレスフリーの素材という可能性もありますし、少し似てるだけでトレパク扱いするのも行き過ぎだと思いますので、そのへんは慎重さが必要かと。間接的に啓蒙するくらいがベターなのかなと思います。

写真をよく参考にしています。
WEB上の写真には当然撮影者さんの著作権があるので、
自分で写真を撮って回るようになりました。

それでもやはり創作活動で時間が取られるため、
参考にする写真はWEB上のものを使うこともしばしばあります。
その場合には、写真の著作権を侵害せず「参考」に留めるためにも以下の点に注意しています。

写真や絵を構成する要素として
・被写体のデザイン(服装や容姿)
・被写体のポーズ
・画面の構図
・画面の画角(アングル/パース)
・表現主体（コンセプト）
これらがあると考えています。
参考にする場合は、上記の要素から１つしか選ばないようにしています。

１枚の写真をそのままトレース/模写して顔だけ変えるとかしては、当然トレパクになってしまいます。

かと言って人物がモデルさんからキャラに置き換われば大丈夫かと言えば違います。
ポーズも構図も一緒では、写真と絵を並び替えた時に「まんま一緒じゃん！」と突っ込まれるわけです。

ポーズを参考にしたいのならば、被写体の服装や写真の構図などはまったく無視します。
ポーズだけ参考にして、まったく別の絵を制作する、という心持ちです。

一番困るのは構図を参考にしたい場合です。
被写体をそっくり変えても、構図を参考にすると「似た絵」感がまだ拭い去れません。
そのため、メインの被写体以外に配置されている小物や背景をガラッと変えたりします。
被写体のポーズや画角も変えるようにします。
なるべく「同じ画」にならないようにするためです。

また、イラストレーターの方が「写真を参考にして絵を描いたら炎上した」という事案がいくつか散見されました。
参考にしていたのは、よくある「写真素材サイト」で参考にしたい写真を漁って、それが問題視されているケースが多いように思います。
実際には被写体のデザイン・ポーズ、画面の構図・画角などはトレースなどしていなくても、です。
それらは「写真のコンセプト」をまんま「絵のコンセプト」として参考にしているケースでした。
要素の「表現主体」そのものを参考にしてしまうと、このようなケースに発展します。

例１）
素敵な内装の部屋の壁の写真３枚→それらの壁を組み合わせた部屋の様子（壁３面）の絵
例２）
白い部屋に箱が散乱しており、その内１つに腰掛けた人物の写真→白い部屋に箱が散乱しており、その内１つに腰掛けた人物の絵

これらは「アイデアの盗用」に該当してしまいます。
「絵のコンセプト」を前面に出して売り出す創作イラストレーターを志すのであれば、
こういったコンセプトまでを自分以外の外から参考にする行為は止めるべきだと思います。

写真は参考というよりも「インスピレーションを得る」くらいに留めるのが健全かな、と思います。
秀作として写真に似せた絵を描くことは良いですが、それを１枚の絵として売ったり、企業案件に使ったりすると問題化しやすいです。

言葉だけでは分かりにくい表現もあるので、実際に例として元写真のイメージと、
それを元に自分だったらどういう絵を描くのかをラフにしました。
参考になりましたら幸いです。