結論から言えば同人誌の世界は「R-18・成人向け」でないなら全部「全年齢」です。

■R指定について
漫画の世界には「全年齢」と「R-18および成人向け」しか今の所は区分がありません。
ただ映画やゲームのように細かくR-12、R-15というような区分を設けている出版社や作家さんもいらっしゃいます。
以下は飽くまで私なりのR区分の基準ですが記載します。
（思想・恐怖・暴力表現もR指定の基準の１つですけど、性描写に絞ります。）

R-12
・過度なパンチラ
・女性の半裸、全裸（乳首や局部描写なし）
・布越しの浮き乳首
など、性への興味をそそる描写が多い

R-15
・血が吹き出る、切断描写がある
・女性の乳首表現
・性器を彷彿とさせる股布のしわ表現
・直接的な性器描写のない性行為表現

R-18
・性器描写(要修正)のある性行為表現
・アダルトグッズを使用している描写

■商業連載誌、商業作品
全年齢の漫画雑誌であるジャンプやマガジンでも乳首表現は割と最近までありました。
ジャンプ連載本誌は2015年、マガジン連載本誌は2018年あたりが最後とされています。
その後は基本的に連載本誌では乳首表現はNG、単行本収録時に修正して乳首追記という形を取っています。
※ジャンプ連載本誌の一部作品ではページを透かすと乳首なし乳房に裏ページのタピオカが重なって乳首表現になるという描写などはありました。

また少女漫画に関してはフラワーコミックスをはじめ全年齢作品でも性行為描写(性器表現はなし)が描かれることもしばしばです。
少女コミックやティーンズラブと言われるジャンルであり、主に小学生高学年から高校生をターゲットにした作品です。
少年漫画では過度は性表現は糾弾されやすい一方、少女漫画では性行為描写が普通に存在することに異議を唱える人たちもいたりはします。

■まとめ
まぁそんなこんなで普通に全年齢作品でも割と性的な描写は存在します。
結局のところ思春期の多感な時期に何を見せるかは親と子供のせめぎ合いもありますし、明確な基準がないグレーゾーンです。
全年齢だからといって小学生向けのコンテンツと高校生向けのコンテンツを一括にもできません。
だから作家や作品によっても基準が異なります。
「R-18か全年齢かだけの２つ」の人もいれば、私みたいに細かく設定する人、本を作る時はR-15もレーティングするけど委託する時は全年齢で頒布する人など。

毎月のお小遣いで週刊連載誌を買って読むようになるのはたいてい小学生高学年からですし、自分専用のスマホを買ってもらうのは中学生からです。
またアプリ配信の特性上全年齢向けになっていても、明らかにターゲットが大学生・社会人向けの作品というのも山程あります。
「全年齢」を言葉通りどんな年齢の人向けと考えるのではなく、ゾーニングやターゲット層も加味して考慮するとグレーゾーンの中の基準が見えてくるかな、とは思います。

問題ないと思います。
主さんもエロではなく芸術的表現だと思われたのですよね？こういう「胸・乳首が出ているからダメなのでは」という画一的な発想が出てくること自体、いかに同人界隈が独自ルールに縛られているかということを感じますね……。

小学生のころ、教室の書棚には手塚〇虫作品がたくさんありました。もちろんエロスを主題にした作品群はありませんでしたが、女性の裸体は当然出てきました。
今から考えても、それを「小学生にあんなもの見せるなんて」とか「破廉恥だ」とかは全く思いません。

「こういうシーンがあったら一律で18禁だ」と考えるのではなく、なぜそういう規制が必要なのかを考えてみることが判断のヒントになると思います。

ちなみに東京都の条例ではこのようになっています。
https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00002150.html

(不健全な図書類等の指定)

第八条　知事は、次に掲げるものを青少年の健全な育成を阻害するものとして指定することができる。

一　販売され、若しくは頒布され、又は閲覧若しくは観覧に供されている図書類又は映画等で、その内容が、青少年に対し、著しく性的感情を刺激し、甚だしく残虐性を助長し、又は著しく自□若しくは犯罪を誘発するものとして、東京都規則で定める基準に該当し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるもの

二　販売され、若しくは頒布され、又は閲覧若しくは観覧に供されている図書類又は映画等で、その内容が、第七条第二号に該当するもののうち、強姦等の著しく社会規範に反する性交又は性交類似行為を、著しく不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を著しく妨げるものとして、東京都規則で定める基準に該当し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるもの

三　販売され、又は頒布されているがん具類で、その構造又は機能が東京都規則で定める基準に該当し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるもの

四　販売され、又は頒布されている刃物で、その構造又は機能が東京都規則で定める基準に該当し、青少年又はその他の者の生命又は身体に対し、危険又は被害を誘発するおそれがあると認められるもの

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赤〇ー公式サイトではこのように書かれています。
https://www.akaboo.jp/guide/item/p0005.html

昨今、過剰な同人誌のR18化が散見されます。原則、発行主であるサークルさんの意思を尊重するものですが、本来１８歳未満の参加者も閲覧できる同人誌が制限されている状況は好ましいものではありません。
本当に【性行為や暴力などの激しい直接描写】を含んでいるのかよく吟味してください。
少なくとも、さらりとした簡易描写や抽象表現 においてはよっぽど１８歳未満に悪影響をあたえる作品でないかぎり、Ｒ１８とする条例上の必然はありません。
（東京都はページ数ではなく、全体としての判断｜包括指定の大阪府などは全体ページの1割以上の描写でR18となります）

主な開催地である東京を除き、大阪府・福岡県については「包括指定」とよばれ過激な性表現等該当すると思われるページが全体でどれくらいの量があるのかで判断されます。
ただし、どこまでの表現が該当するのかは事細かに明示されているわけではありません。
東京都では、ページ量も一つの判断材料として様々な観点から不健全図書指定を行なっているようです。可能性としては、同じ作品でも都道府県により判断がわかれる場合もありえます。
なお、R18か否かの解釈が人により異なることは当然ありえます。
例えば、商業出版社と東京都で解釈が異なると、東京都側は「不健全図書指定」を行いますが、あくまで自主規制を促すものであり、その解釈の違いにおいて罪に問われるような性質のものではありません。同人誌も基本は同様です。

大切なのはご自身の作品への考え方を明確にしておく事です。

皆さんありがとうございます。まとめての返信お許しください。
非常に参考になります。

同人界隈は「R18か否か」のようなもの以外でも、「地雷な人もいそうな要素」はとにかく注意書きして棲み分け、というのが普通な感じなのもあって、私も芸術的表現であれば全年齢で理論上問題ないのは分かってはいるのですが、単純に「全年齢だと言うから買ったのに裸体があって地雷だった」という人への配慮という面で、注意書きあった方が良くないのかな…？と思ったまでです。
（ちなみに別に私は女性の裸体が地雷というわけではないので、地雷という人もいるかもと想像してモヤっただけです。自分の地雷でもないのに気にしてたらキリないですね…）

コメントで皆さん仰るように全年齢で問題ないのなら、あとはただ単に「こういうの地雷な人もいそうだけど注意書きしなくていいのかな…」のモヤモヤに立ち返るだけなのですが、これに関してはその辺りのどこまで注意書きするかなんて、同人界隈の空気に過ぎず義務ではないので、しょうがないですよね。サークルさんは悪くないと再確認しました。

それと、違う方向に受け取られてしまったようなので追記しておくと、私自身も芸術的表現での裸体は全年齢なんだろうとは思っており、しかし何でも大事をとってR18にしたり前述のようにとにかく注意書きを！という同人界隈の空気に浸り過ぎたためか無意識にモヤモヤしてしまって、頭では問題ないと分かっているのに…となってしまったのですが、トピ文に書いたように作品も素敵で、サークル主さんのことも好きなので、他の方の意見も聞いて問題ないと再確認したかっただけです。